この記事でわかること
- 病院薬剤師から企業転職を考えた具体的な理由
- 薬局転職を選ばなかった理由
- 企業薬剤師の働き方(土日休み・残業・有給)
- 転職前後の生活の変化
- 転職を迷っている人が最初にすべきこと
転職を決めた理由は「土日休みたい」というシンプルな願い
病院薬剤師として3年働く中で、一つの結論に至りました。
「土日休みたい。年収も上げたい。」
キャリアアップや専門性を高めたいわけではなく、ただ普通の生活リズムで働きたいという思いでした。
この「土日休み」を最優先にした結果、たどり着いたのが企業という選択肢です。
病院薬剤師として感じた3つの違和感
1. 休日が暦通りではない
病院薬剤師の勤務実態:
- シフト制で土日出勤あり
- 祝日・年末年始も出勤
- 当直・夜勤あり
友人や家族の予定と合わず、「また予定キャンセルか…」が日常でした。
2. 休日出勤・当直で体力的にきつい
よくあるパターン:
- 当直明けでカンファレンス出席
- 休日出勤→翌日通常勤務
- 月に本当に休める日が数日しかない
「患者さんのために」と頑張る一方で、自分の時間がほとんど取れない現実に疲れを感じるようになりました。
3. 急な体調不良でも休みづらい
人員が限られているため、体調不良でも「なんとか出勤」が暗黙のルールでした。
無理して出勤→体調悪化→さらに休めない、という悪循環。
「薬局転職」を選ばなかった理由
病院勤務がつらくなり、最初に考えたのは薬局への転職でした。
薬局の働き方を調べて分かったこと
薬局の勤務実態:
- 土日営業の店舗が多い(土日休みは限定的)
- かかりつけ薬剤師制度で時間外対応あり
- 突発的な休みが取りづらい
- 店舗によっては残業が多い
もちろん、薬局勤務には地域医療に貢献できる素晴らしい側面があります。
ただ、私が求めていたのは「自分の生活リズムを整えること」でした。
薬局は私の理想には当てはまらないと判断し、さらに調べを進めました。
「生活を大切にしたい」と思ったきっかけ
結婚後、生活リズムのズレが顕著に
結婚を機に、生活リズムの違いがより明確になりました。
| 項目 | 夫(会社員) | 私(病院薬剤師) |
|---|---|---|
| 休日 | 土日祝 | シフト制 |
| 勤務時間 | 9:00〜18:00 | 8:30〜20:00(当直あり) |
| 年末年始 | 休み | 出勤あり |
せっかくの休日もすれ違い、一緒に過ごす時間がほとんど取れませんでした。
当たり前のことが「できない」現実
やりたかったこと:
- ゴールデンウィークや年末年始を一緒に過ごしたい
- 体調不良のときは無理せず休みたい
- 休日に友人とランチしたい
- 夜に予定を入れても時間通りに行きたい
「それって、わがままなのかな?」
最初はそう思いましたが、冷静に考えると「普通に生きる上で大切なこと」なんですよね。
仕事は人生の一部。でも、人生そのものではありません。
「企業で働く」という選択肢を知った衝撃
調べて分かった企業薬剤師の職種
未経験でも挑戦できる職種:
- CRA(臨床開発モニター):治験の進行管理
- DI(医薬品情報担当):医薬品情報の収集・提供
- PMS(市販後調査):発売後の医薬品の安全性調査
- 学術・メディカルアフェアーズ:医療従事者への情報提供
- 品質管理(QC/QA):医薬品の品質保証
現場で薬を扱うよりも、医薬品開発や情報管理、医療の仕組みづくりに関わる仕事でした。
企業勤務の条件に驚いた
企業での働き方:
- 土日祝がしっかり休める
- 夜勤・当直がない
- 有給が取りやすい
- 体調不良でも休める
- 在宅勤務も可能な部署がある
私がずっと求めていた環境が、ちゃんと存在していたのです。
転職活動を始めるまでの不安
「未経験で本当に受かるの?」
一番大きな不安は、未経験でも採用されるのかという点でした。
転職エージェントに相談すると、こう言われました。
「薬剤師としての専門知識を活かせる企業職は意外と多いですよ。病院経験があるなら、医療を理解している視点が強みになります。」
この言葉で、少し希望が見えました。
履歴書を書きながら気づいたこと
病院での経験を振り返りながら履歴書を書いているうちに、気づいたことがあります。
病院での経験は決して無駄ではなく、「医療を理解している人」という視点は企業でも強みになるということ。
初めて企業面接に行ったとき、「薬剤師の視点を活かしてくれる場所があるんだ」と感じ、心の底からホッとしました。
企業転職後に得られた「当たり前の幸せ」
転職前後の生活比較
| 項目 | 病院時代 | 企業転職後 |
|---|---|---|
| 休日 | シフト制 | 土日祝(暦通り) |
| 勤務時間 | 8:30〜20:00 | 9:00〜17:30 |
| 残業 | 月30〜40時間 | 月20時間以下 |
| 有給 | 取りづらい | 計画的に取得可能 |
| 体調不良時 | 休みづらい | ちゃんと休める |
転職して変わったこと
得られた「当たり前の幸せ」:
- 土日に夫と出かけられる
- 帰省や旅行を計画できる
- 風邪を引いたらちゃんと休める
- カレンダー通りに年末年始を過ごせる
- 平日に美容院へ行ける
どれも小さなことかもしれません。でも、以前の自分にとっては「憧れの生活」でした。
そして何より、「仕事が終わったあとに、自分の時間がある」というだけで、毎日がこんなにも穏やかになることを実感しています。
転職を迷っている人へ|最初にすべき3つのこと
1. 転職サイト・エージェントに登録する
登録するメリット:
- 自分では気づかなかった選択肢が見つかる
- 非公開求人に応募できる
- 履歴書・面接対策のサポートが受けられる
登録は無料で、5分で完了します。
2. 「譲れない条件」を明確にする
私の場合:
- 土日休み(最優先)
- 年収は横ばい以上
- 未経験OK
この3つを軸に求人を絞りました。
3. 小さく行動してみる
「いきなり転職」はハードルが高いので、まずは小さく行動してみるのがおすすめです。
- 転職サイトを覗く
- エージェントに相談する
- 企業説明会に参加する
- 実際に働いている人の話を聞く
その小さな一歩が、後の大きな変化につながります。
まとめ:誰かにとっての正解が、自分にとっての正解とは限らない
病院、薬局、企業——どの働き方にも、それぞれの魅力と課題があります。
病院でのやりがいも、薬局での地域貢献も、企業での安定した働き方も、どれも素晴らしい選択肢です。
ただ、私が感じたのは、
「誰かにとっての正解が、自分にとっての正解とは限らない」
ということ。
私は「自分の生活を大切にしたい」という気持ちを軸に、企業という選択をしました。
そして今は、心からこう思っています。
「自分の幸せを基準に働き方を選んでいい。」
転職は勇気がいります。でも、その一歩の先には、きっと「今より優しい日常」*待っています。

