薬剤師の企業転職|入社後のリアルを語る【人数・業務・雰囲気、全部話します】

転職

この記事でわかること

  • 入社初日〜3ヶ月の具体的な業務内容
  • 同期の人数・職種構成(40人の内訳)
  • 研修期間で学ぶこと・身につくスキル
  • 実際の1日のスケジュール(残業時間含む)
  • 病院勤務と比較したワークライフバランスの変化
  • 企業で本当に求められるスキル5つ

企業転職を考える人が知りたいのは「入社後の現実」

「企業に転職したいけど、入社後がイメージできない…」

求人票には「研修制度あり」「未経験OK」と書いてあっても、実際どんな環境で、何をするのかが見えないと不安ですよね。

この記事では、私が実際に企業に転職して経験した入社後3ヶ月間の具体的な流れを公開します。


入社初日の流れ|同期40人との顔合わせ

中途入社でも「同期」がいる

私が入社したのは4月1日。新卒と同じタイミングで、中途入社の同期が40人いました。

同期の職種内訳:

  • 薬剤師:7人
  • 看護師:18人
  • 臨床検査技師:5人
  • MR経験者:3人
  • その他医療職:7人

年齢層は20代後半〜30代前半が中心。全員が未経験からの企業転職でした。

入社初日のスケジュール

時間内容
9:00全体オリエンテーション、社長挨拶
10:00会社概要・組織図の説明
11:00PC・社内システムのセットアップ
12:00休憩(同期と顔合わせ)
13:00社内ツールの使い方説明
15:00社員証・名刺の受け取り
17:30解散

初日は業務の話はほとんどなし。環境に慣れることが優先でした。


研修期間3ヶ月で何を学ぶのか

座学1.5ヶ月+実務演習1.5ヶ月の構成

座学で学んだこと:

  • GCP(医薬品の臨床試験の実施基準)
  • 治験の流れと関係者の役割
  • 社内ルール(SOP:標準業務手順書)
  • ビジネスメールの書き方
  • Excel・Wordの基本操作

実務演習で学んだこと:

  • 症例報告書(CRF)の読み方・書き方
  • モニタリング報告書の作成演習
  • 先輩のモニタリングに同行
  • 医師との面談ロールプレイング

配属後の業務|最初の1ヶ月でやったこと

研修が修了した後、プロジェクトに配属されました。

配属先はがん領域の治験プロジェクト

チーム構成:

  • プロジェクトマネージャー:1人
  • 先輩CRA:3人
  • 新人(私):1人

最初の2週間:基礎固めの期間

やったこと:

  • 治験実施計画書(プロトコル)の読み込み
  • 業務手順書(SOP)の確認
  • 症例報告書(CRF)のサンプル確認
  • 先輩のチェック業務を見学
  • eラーニング受講

この期間は「読む、見る、覚える」が中心。実務はまだほとんどなし。

3週目以降:実務スタート

任された業務:

  • 症例データの確認作業
  • ミーティングの議事録作成
  • 社内資料のダブルチェック
  • 先輩の施設訪問に同行
  • モニタリング報告書の下書き作成

講義で学んだことを実際にやってみると、「わかったつもり」と「できる」は全然違うと痛感しました。

ただ、先輩に質問すれば丁寧に教えてもらえる環境だったので、安心して進められました。


1日のスケジュール|残業時間の実態

配属後1ヶ月の平均的な1日

時間内容
9:00出勤、メール・チャット確認
9:30当日タスクの整理
10:00eラーニング受講 or SOP確認
11:00上司へ進捗報告
12:00休憩
13:00チームミーティング(週2回)
14:00資料作成・データチェック
16:30日報作成、翌日のタスク確認
17:30退勤

残業はほぼゼロ

配属後1ヶ月は、ほぼ定時(17:30)で退勤できました。

たまに18時過ぎになる日もありましたが、病院時代の20時退勤と比べると別世界でした。


ワークライフバランスの変化|病院時代との比較

項目病院時代企業転職後
勤務時間8:30〜20:009:00〜17:30
残業月30〜40時間月20時間以下
休日シフト制(土日出勤あり)完全週休2日(土日祝)
有給取りづらい計画的に取得可能
夜の予定ほぼ入れられない余裕で入れられる

変わったこと2つ

1. 土日祝が必ず休める

病院時代は「世間は休みなのに出勤」が当たり前でした。企業では暦通りに休めるので、友人と予定を合わせやすくなりました。

3. 在宅勤務が可能

不慣れで直接聞きたいときは出社していましたが、ほとんど在宅勤務をしていました。


企業で求められるスキル|薬の知識より大事なこと

調剤経験や薬の知識も大切ですが、実際に求められるのはビジネススキルでした。

意外だった5つのスキル

1. タイピング速度

企業では1日中パソコンを使います。メール作成・報告書作成・データ入力すべてがパソコン作業。

タイピングが遅いと、それだけで時間がかかります。

2. Excel・Wordの基本操作

表の作り方、関数の使い方、文書のレイアウト調整など、基本操作ができないと業務が進まない場面が多いです。

3. 報連相のタイミング

「いつ報告すべきか」「どこまで自分で判断していいか」の感覚が、病院とは全く違いました。

企業では「早めの報告・相談」が基本です。

4. ビジネスメールの書き方

「お世話になっております」「ご確認のほど、よろしくお願いいたします」といった定型文。

最初はメール1通に1時間かかっていましたが、毎日書くうちに自然と慣れました。

5. スケジュール管理

複数のタスクを同時並行で進めるため、「どのタスクを優先すべきか」を自分で判断する力が求められます。


未経験者として感じたギャップ

専門用語が多すぎる

  • SOP(標準業務手順書)
  • GCP(医薬品の臨床試験の実施基準)
  • CRF(症例報告書)
  • SAE(重篤な有害事象)

最初は用語を覚えるだけで精一杯でした。

仕事の進め方が病院と全く違う

病院では「目の前の患者さん最優先」でしたが、企業では「スケジュール通り・期限厳守」が何より重要。

この感覚の違いに戸惑いました。

自分の未熟さに落ち込むことも

「周りに迷惑かけてばかり…」と落ち込む日もありました。

でも、先輩から「私も最初は全然わからなかった」「1年経てば全然違うから大丈夫」と言われて、救われました。


まとめ:入社後1ヶ月で分かったこと

研修が3ヶ月あるので、未経験でもついていける
同期40人がいるから孤独じゃない
先輩が質問しやすい雰囲気を作ってくれる
ワークライフバランスが劇的に改善する
少しずつ、確実にできることが増えていく

企業転職は、最初は覚えることが多くて大変です。

でも、全員が「最初は未経験」からスタートしています。

それを理解している先輩がいるから、ちゃんとフォローしてもらえる環境がありました。


よくある質問

Q1. 入社後、どのくらいで一人前になれますか?

A. 2年〜3年が目安です。最初の3ヶ月は研修、その後3ヶ月は先輩のサポートを受けながら実務を覚えます。

Q2. 未経験でも本当についていけますか?

A. はい。同期40人全員が未経験でした。研修がしっかりしているので安心してください。

Q3. 残業は本当に少ないですか?

A. 研修期間は定時退勤でした。プロジェクトの繁忙期は残業が発生することもあり、波があります。